びいだま

突然の告白


垣内悠司くんと「お友達」になって1ヶ月。


わかったこと。


垣内くんは、時々授業をさぼることがある。


垣内くんがたまに持ってる大きなカバンの中には、カメラが入ってるということ。


垣内くんは・・・カメラマンを目指してるんだ、っていうこと。



「垣内くん!」


「・・・あぁ」


「やっぱり、ここだ」



夏のお日様のにおいがする、屋上。


垣内くんがちらっ、とこっちを見てからまたカメラを構えた。


最初は、さすがに戸惑ったような表情をしてたけど、最近はもうあきらめたみたい。


風がそよそよと彼の黒髪をゆらして通り過ぎていく。


なんだろう。


垣内くんはこんなときもほとんどしゃべらない。


けれど、このごろはそれも心地いいんだ。


嫌がっては、ないってこともわかるから。


「大橋さんは・・・・」

「ぅえ?」


ほとんど呼ばれたことのない私の名前に・・・・あわてて彼を見ると、


垣内くんはカメラを構えたまま、私のほうを見ないでたずねた。


「大橋さんは・・・・好きな奴とか、いるの?」


「・・・・・・っ!?」


ドクン、と血液が逆流する。


ばれてる?


もしかして、というかやっぱり全体的にバレバレ、だよね??
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