びいだま

ほっ、


いつもになく、すぐに解放されたと安心してたら、即座にコマキはひと刺し。



「ま、この亀スピードでいつまで大丈夫かな?って」


「へ?」


「さっきの男子誰だったんだ、って噂になってるみたいだし。まだ垣っちだってバレてはないけど・・・・・・いずれはバレて人気急上昇。もっと積極的な女の子が急接近・・・・ってこともありえなくは、ないと思うけど?」



ん?どうする?


みたいな、そんな視線・・・・。


「そんなこと・・・」

あるのかなぁ。


言いかけた私の言葉をコマキは簡単にひっくり返す。



「あるよ~。充分ある。今日の垣っち、王子と同じくらいイケてたもん。うーん。瑞貴王子は白王子。垣っちは、黒王子、って感じかなぁ」



なにそれ。


王子、王子って・・・。



「だから!うかうかしてらんないよ?」



うん・・・・本当に、そうかも・・・・。



「じゃぁさ。さっき王子と今日これが終わったら皆でお疲れさん会しよう、って話になったから、その時にでも・・・・さらっ、と告っちゃったら?」



え?


てかさ、それはちょっと・・・・



「私さ、もう一度告白してふられてるんですが・・・」


それは鈍感な私にも、さすがに結構大きなハンディだと思われ。



< 156 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop