びいだま

「ふられてるのに、また好きです、って言うの?」



そんな私にコマキはため息をつきながら頬杖をついた。



「じゃぁさ。一回ふられたから、って果歩は気持ちあきらめることができた?忘れることができた?」



ぶんぶんと首を横に振る私を見て、コマキは一言。



「そういうことだよ。一度ふられても、まだ好きなんでしょ?だから、何回好きだ、って言ってもいいんじゃない?それが果歩の正直な気持ちなんだし」




・・・・私の正直な気持ち。




「垣っちに、好きだっていうのもういや?」



ユウに好きって言う。もう一度・・・・。



「ううん。いやじゃない・・・・伝えたいよ。伝えたい」



「そっか。じゃぁ、がんばるしかないよね」



肩に手を置いてにっ、と笑ったコマキにようやく頭がはっとする。



「い、あ、あれ?」


「言ったよね?告白するって」



あぁ・・・・・。



今の私は世界で一番催眠術に弱い女の子だと思う。



ユウにもう一度告白・・・・?


どうやって?

どう言って?



催眠かけるのいいけど、今度は正しいやり方を誰か教えて~!





< 157 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop