びいだま
ようやく言えたその言葉に、瑞貴はにこっ、と嬉しそうに笑ってから、窓のほうを向いた。
「あ、もう始まってる」
「・・・・うん」
一緒に見つめた窓の外には、明かりがともされて、徐々に人が集まってくるグラウンドが見えた。
「・・・これからも、友達でいてくれる?」
瑞貴・・・・。
隣を見ると、窓の外を見つめてた瑞貴が少し笑みを浮かべて私を見た。
「うん・・・」
「それなら、いいや」
「瑞貴・・・・・」
「・・・・けど、俺はそんなに人が出来てないし・・・・あいつとのことは協力なんてしないから」
「ん・・・・・」
そうつぶやいた私に、瑞貴は掌を頭の上に乗せようとして、その手を下に下ろした。
「だから・・・お前がのろのろしてたらどうなるかわからないからな」
「え?」
「・・・・だから、そういうことだよっ。けど、今日の打ち上げは来いよな」
何があっても、という箇所を少し大きく言った瑞貴はもう一度ニカッ、と笑って私にピースサインを出して見せたんだ。