びいだま
「じゃぁ、後でな」
廊下にもたれて手をひらひらさせてる瑞貴は、いつもと同じだった。
ほっ、とすると同時に、胸がギュッ、としぼられるよう。
瑞貴の大事な気持ちが、本物だったって、さっき伝わったから。
けど、だからこそ、私は友達でいたい。
これからも、瑞貴と友達でいたいよ。
立ち去りかけた私を、瑞貴の声が追いかけてくる。
「果歩!」
「なに?」
「・・・・・今日って何の日か知ってる?」
「・・・・?」
なに?急に・・・・。
「・・・あのな・・・・・」
といいかけて、瑞貴は何かを考えるように天井を向いてから、まぁいっか、と小さくつぶやいた。
「瑞貴?」