びいだま

「・・・・・なんでここにいんの?」


「なんで、って・・・荷物・・・・・置いたままだったから・・・・ユウは?」


「俺は・・・・俺は、瑞貴がここで待っとけ、って、言うから」



瑞貴が・・・・?



さっき、別れた時の瑞貴の表情の意味がようやくわかったような気がした。



なんて・・・・なんて、悲しいほど優しいんだろう。


最後の最後まで・・・・。


つらすぎるよ・・・瑞貴。



「・・・・あいつ、マジでムカつく」


「え・・・・・?」



「果歩・・・・・・泣いてる?」



え?



やだ。なんで?



涙が、とまらない。



瑞貴の気持ちと、ユウへの想いがぶつかって、私の体の中でごちゃごちゃに混じりあって・・・・。



< 167 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop