びいだま
座り込んだユウの前にひざをついて、泣き出した私は、きっとどこから見ても困った女だろうと思う。
「果歩・・・・・」
ユウから伸びた指先が、私の頬を少しかすめて一旦その動きを止め・・・・・下に落ちた。
「果歩・・・・もしかして、瑞貴が好き・・・か?」
そう言うユウの顔が少し悲しげに揺れた気がした。
ユウ・・・。
ユウッ。
私は・・・・
「瑞貴は好きだよ。大好きだよ」
「そう・・・か」
「けど、それは大事な友達としてだから・・・・・」
ユウのまっすぐな視線を感じながら私は床を見つめたまま続けた。
「私が好きなのは・・・・好きなのは・・・・・」