びいだま
好きなのは・・・・、
けど、思わず出しかけた言葉の前で、ユウがふっ、と笑顔をもらした。
「友達・・・・・友達だよな、俺達」
ユウの言葉は、私のかすかな期待をめちゃめちゃに破り散らす。
「・・・・うん」
そうかぁ・・・・。
・・・・・うん・・・・友達、だよ。
そう、思いながらも、頭のどこかが、殴られた後のようにぼーっ、としている。
思わずきゅっ、とかんだわたしの唇に、そっと触れられたのは、ユウの親指で。
その感触に、ようやく心臓がトクントクンと脈を全身に送り出し始めた。
「けど・・・なんでだろ・・・・・・果歩は・・・・俺の今までを全部ひっくり返してくんだ」
「・・・・・・全て?」
「あぁ・・・全部だよ。ムカつくくらい」
そこで、ユウは自嘲的に笑った。