びいだま

「あ、あの……なんで?なんでここに」


王子が?と出かけた言葉を飲み込んだ。


「初めてだよね」


う、うん。


小さく頭を振る私を嬉しそうに見つめた王子は、


私のことは前から知ってたこと。


垣内くんとは幼なじみだということ。


一通り話してから、はー、っと息を吐いてからフェンスを両手でつかんだ。


「大橋さん、いつも窓から見てるデショ、外」


え……。


「あ……ハイ」
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