びいだま
全然よくなーい!! と私は心の中で叫んでた、
だって、全く印象が違うんだもん。
メガネをつけてる学校でのユウとは、やっぱり雰囲気が違って見える。
無造作に降ろした前髪は、柔らかそうにさらさらと揺れて、
その間から見える瞳は、髪の毛と同じ漆黒色。
少し憂いを含んだようなその眼差しが・・・・
「ん?」
それはきっと、メガネをかけてないせいもあるんだろうけど、
むやみやたらに私の胸の動悸を早くさせていくんだ。
「果歩、乗らねーの?」
「う、うん。乗る!乗りますっ!」
再び、手を軽くひきよせらるように電車に飛び乗ると、ユウはくっくっ、と喉の奥でこらえるように笑った。
ユウ。
その仕草も、全部全部・・・・