びいだま

「あ、そうだ。悠司。オバりんが来てるわよ?会ってかなくていいの?」



「うそっ。小畑さんが!?」



急に目を輝かせたユウが、スタジオの中をきょろきょろと眺め回した。



「ごめんっ。果歩、ちょっとだけ、いい?」


「あ・・・うん。いいよ?」


「すぐ、戻るからっ。・・・・って、姉ちゃん余計なこと言うなよ?」


「アタシに言われて困ることでも・・・あるわけ〜?」


「いやっ、ないけど・・・・あーっ、なんでもない!ごめん、果歩、ちょっと行って来るな?」



そう言い残してユウは少し離れたところで、カメラの三脚を調整している男の人に声をかけに行った。



「・・・・ハハッ、あの子ね〜・・・オバりん、大好きだから」


そう言って「ユウのお姉さん」は私をみつめる。



「はじめまして。果歩ちゃん」



ニコッ、と笑ったその表情は、ユウのそれにそっくりで、思わずドキッとトキメイた私はどうかしてるのかな……。
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