びいだま
「果歩ちゃんのこと・・・マアコちゃんから聞いてるわよ?」
「あ・・・・ハイ・・・」
って、どういうリアクションをしたらいいんだろう・・・。
「アハハ、ごめんね。いきなり困るよね」
そう言って「ユウのお姉ちゃん」は大きな口をあけて豪快に笑ってから、
ま、座って?
とそばにあったテーブルを指差した。
「そっか。初めは自己紹介だよね・・・・アタシは垣内杏奈(アンナ)です。うーんと、悠司の姉で、親代わり」
そう言いながらペットボトルのお茶を紙コップにいれて私の前に、ハイ、と差し出してくれた。
「家ね、親が仕事でほとんど海外にいるのね。だから、アタシが親代わり、ってわけ・・・・いつも悠司がお世話になっております・・・・なんて」
おどけたように舌をぺろっ、と出した杏奈さんはやっぱりキュートだ。
「マアコちゃんが、すごい喜んでたよ。悠司の彼女がすごく可愛い人なんだって」
「あ・・・はぁ・・・・」
なんだろ。
杏奈さんにそういわれても・・・・嬉しいような嬉しくないような・・・複雑な気持ち。
だって・・・・完璧じゃん?
顔は小さいし、スラッとした手足は細くて長くて・・・・
完璧じゃん?
緊張しすぎて、あんまり見れないくらいなんだから・・・・。