びいだま

「果歩ちゃんのこと・・・マアコちゃんから聞いてるわよ?」



「あ・・・・ハイ・・・」



って、どういうリアクションをしたらいいんだろう・・・。



「アハハ、ごめんね。いきなり困るよね」


そう言って「ユウのお姉ちゃん」は大きな口をあけて豪快に笑ってから、


ま、座って?


とそばにあったテーブルを指差した。



「そっか。初めは自己紹介だよね・・・・アタシは垣内杏奈(アンナ)です。うーんと、悠司の姉で、親代わり」


そう言いながらペットボトルのお茶を紙コップにいれて私の前に、ハイ、と差し出してくれた。


「家ね、親が仕事でほとんど海外にいるのね。だから、アタシが親代わり、ってわけ・・・・いつも悠司がお世話になっております・・・・なんて」


おどけたように舌をぺろっ、と出した杏奈さんはやっぱりキュートだ。



「マアコちゃんが、すごい喜んでたよ。悠司の彼女がすごく可愛い人なんだって」



「あ・・・はぁ・・・・」



なんだろ。


杏奈さんにそういわれても・・・・嬉しいような嬉しくないような・・・複雑な気持ち。


だって・・・・完璧じゃん?


顔は小さいし、スラッとした手足は細くて長くて・・・・




完璧じゃん?




緊張しすぎて、あんまり見れないくらいなんだから・・・・。



< 190 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop