びいだま
こいバナ
「・・・こんにちは~・・・」
そっと覗いた病室の中で、私と目があったマアコが
「果歩ちゃんっ!」
と嬉しそうに声を上げた。
と、同時にマアコのそばにいた小柄な女性が私を見つめて会釈した。
「母さん、果歩ちゃんだよ」
「あぁ・・・マアコがいつもお世話になってます」
そうやって嬉しそうにマアコのお母さんは笑った。
「母さん、果歩ちゃんね、ユウの彼女さんなんだよ」
マアコがそう言った先でお母さんが表情を一瞬こわばらせた。
??
「悠司くんの?」
「そうだよ?」
「そ、そう・・・・そうなの・・・」
「母さん?」
マアコが声をかけるとお母さんははっ、とした顔をしてからごまかすようにふふふっ、と笑ってからドアに向かった。
「ごゆっくり」
「は、ハイ・・・」
そう言ってバタン、とドアが閉まると、マアコが私の手を引っ張ってねぇねぇ、と嬉しそうに笑った。