びいだま
「それよりもっ」
マアコが少し頬を膨らまして私を軽くにらんだ。
「おめでとう、って言うのはこっちも同じだよ?」
「あ・・・・・うん」
「コマキのメールに書いてあったよ。ユウと付き合うことになったんだって」
「・・・・うん、ありがとう・・・」
なんだか・・・今さらながら照れくさい。
「良かったね。って・・・これはユウに言ってあげたほうがいいのかな」
「・・・・え?」
「ユウは気づいてないかもしれないけど・・・・」
そう言って、マアコはイタズラそうに笑った。
「果歩ちゃんのこと、ずーっと前から好きだったって、もうバレバレ。でも多分本人は気づいてなかったんだろうなぁ、って思うけど」
「・・・・・」
今度は私が赤くなる番だ。
「言ったでしょ?ユウはすごーく鈍感だって・・・・」
「誰が鈍感なんだよ!?」
重なった声に、振り返ると、ユウがペットボトルの入った袋を揺らせて扉にもたれていた。