びいだま
キィーッ・・・。
タクシーが停まって、外に出ると・・・
「あ・・・・・ここ・・・」
初めて、ユウと出かけた場所。
あの草原へと続く坂道の頂上だった。
「行こ?」
まるであの日のように、ユウは先に歩き出した。
日差しはあの時と同じようにさしてるけど、今はもう肌寒い風が吹いてる。
草の青々とした緑色は、茶色がほとんどをしめていて・・・・
変わったことはたくさんあるのに、
ユウの背中を見ながら、あぁ、そうだった、って思い出した。
変わらないものがある。