びいだま
ユウは少し笑って、目を伏せた。
「俺にとってあいつらは特別なんだ。家族・・・・う~ん、なんていっていいんだろう・・・・」
ユウが。
「友達」ってことにこだわる理由が・・・わかったような気がした。
「マアコが重い病気になって入院することになったって・・・・マアコは大丈夫大丈夫!って笑ってたけど、おじさんとおばさんが泣いてたの、ある日聞いちゃったんだ。なんとかしたい、って。恩返し、なんて言葉は大げさすぎるんだけど、まだ全然足りないんだけど、なんとかしたい、って思った」
ユウは遠い遠い、草原の向こう側をじっと見つめたまま言葉を続けた。
「マアコの元気はカラ元気だって、わかってたからさ、マアコを笑顔にすれば病気は治るんだ、って・・・・・・思ったんだ・・・・ううん、思おうとしてた。・・・俺はただの現実逃避をしただけなんだ」
ううん。必死に首を横に振る私のそばで、ユウは目を閉じて話し続ける。