びいだま
どれくらいたったのかな。
ようやく、私の涙が収まってきた頃に、ユウは空を見上げて大きくため息をついた。
「やべー・・・・すげーバクバクしてる、心臓」
「ユウ?」
「やっぱりやめた、とか・・・言われたらどうしよう、って思った」
え?
「かっこつけてみたのに、結局かっこわりーな、俺」
照れたようにユウは髪の毛をくしゃくしゃとかいて、顔を伏せた。
ユウの顔・・・・真っ赤。
「ユウ~?」
「ダメ。急に恥ずかしくなってきた!」
なに、それ~。
「私は、やめた、なんて言わないよ」
ちょっと意地悪でSなユウも、
信じられないくらい優しいユウも、
新しいユウの顔を知れば知るほど、私はどんどんユウに惹かれていくんだ。
だから、
「やめる、なんて絶対に言わないからっ」
うん。絶対にっ!
「ハハハッ、なんでガッツポーズなんだよ?」
「あ?あぁ、いつのまにっ!エヘヘ・・・」
両手で作ってたガッツポーズをごまかして、ユウの顔を見て笑った。