びいだま

そのあと、


「そっか……そっか…」



ユウは前を向いて2度つぶやいてから口をつぐんだ。



「って言っても、まだぼわっ、としか浮かんでないんだけど……ユウには言いたかったんだ」



あわてて続けた次の言葉に、私は実感していた。


…知らなかった。


やりたいことを人に伝えるって、少し気恥ずかしくて、


少し、嬉しい……。




「果歩」


「え?」


「…手、つないでも、いい?」


「あ……、えっと……ハイ…」



ドキン、ドキン……



そっと握られたユウの手のひらが、いつもより暖かく思えたのは、どうしてなのかな。










< 225 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop