びいだま
そのあと、
「そっか……そっか…」
ユウは前を向いて2度つぶやいてから口をつぐんだ。
「って言っても、まだぼわっ、としか浮かんでないんだけど……ユウには言いたかったんだ」
あわてて続けた次の言葉に、私は実感していた。
…知らなかった。
やりたいことを人に伝えるって、少し気恥ずかしくて、
少し、嬉しい……。
「果歩」
「え?」
「…手、つないでも、いい?」
「あ……、えっと……ハイ…」
ドキン、ドキン……
そっと握られたユウの手のひらが、いつもより暖かく思えたのは、どうしてなのかな。