びいだま

はい??


後ろを見ると、気の弱そうな背の低いスーツ姿のサラリーマンが顔を真っ青にして「い、いや・・・なんだよ」ってつぶやいてた。


その手を握ってるのは私の手じゃなくて・・・・


「垣内くん・・・・」


ぎりぎりとねじりあげられたサラリーマンの腕は少しずつ色が失われていってる。


「い、痛い。痛い・・・・わかったから、離してくれ」


「次で一緒に降りるから。逃げるなよ」


今まで聞いたことのないような垣内くんのひくい声に、思わず口をつぐんだ。


垣内くん・・・・。



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