びいだま
キセキ
「じゃぁね!」
「垣っち、元気でね。って、見送りは、絶対行くから~」
目を赤くしたコマキと一緒に玄関に立った私の肩をポンポンと叩いたのは、瑞貴。
「話したいことは、ちゃんと話せ」
「・・・・・」
瑞貴はブーツをはきながらつぶやいた。
「後悔は絶対・・・・・・しないほうがいいから」
「瑞貴・・・・・」
そうやって瑞貴はコマキの肩を抱いて、まだユウがいる奥の部屋にむかって叫んだ。
「俺、こいつ送ってくから!・・・・・果歩、あとはよろしくな。じゃ」
そう言っていつもみたいに爽やかに笑った瑞貴はコマキと部屋を後にした。