びいだま
「ユウ」
ふわっ、と温かなぬくもりが背中を覆って、
それがユウの体温だって、すぐに気がついた。
私の体なんてなんなく包み込んでしまう、この大きな腕が好き。
肩と首に触れるやわらかい髪の毛が好き。
「果歩」
って、私の名前を呼ぶ甘くて少し低い声が好き。
「ユウ・・・・離れても・・・大丈夫、だよね。私はずっとずっと待ってるから」
「俺は絶対に戻ってくるから。迎えに来るから。信じてて・・・信じて待ってて」
なんで?
ユウの言葉の一つ一つが嬉しいのに、すごく切ないんだ。
「ユウ・・・・キスして?」