びいだま
「この前、ユウと話ができたんだ」
「そっか」
「うん。瑞貴の、おかげだよ?」
「・・・・そっか」
「うん・・・・・」
瑞貴はしばらく自動販売機を見つめたまま黙っていた。
「ユウの・・・不安な気持ちを聞いたら、なんだかね、変なんだけど、気持ちが楽になったの。私だけじゃないんだ、って。だから、やっぱり応援したい、って思ったんだ。・・・・信じて、待ってる、って約束、できたんだ」
瑞貴は自動販売機からジュースを取り出してこちらを振り返った。
「・・・・良かったな!」
「うんっ」
「・・・・そっか・・・で、ユウとヤッた?」
ドカッ、とベンチに座った瑞貴が、パックにストローを刺しながらなんでもないようにたずねるんだ。