びいだま
「果歩・・・っ」
「ん?」
「あんまり・・・・走りすぎんなよ?」
「え?」
「・・・・なんでもない。じゃ、俺も行くわ」
「うん・・・・?」
飲み終わったジュースをくしゃっ、とつぶすと、瑞貴が投げたそれは放物線を描いてきれいにゴミ箱に入る。そうして彼は「じゃぁな」と一言残してグラウンドに向かっていった。
・・・・その後姿をほんの少しだけ、かっこいい~・・・なんて・・・。
わわっ、なに考えてんだ、私。
ごめんっ、ユウ。
勉強、勉強・・・・っ!