びいだま

「あ、あの・・・・・・垣っち・・・悠司くんは・・・・?」



ほら、コマキなんて、完全に声が上ずってるし。しかも悠司くん、って・・・・。



「あぁ、今なにか買い忘れた、って・・・・あ、来た。こっちこっち!」


あんなさんの指差した方向に目を走らせると・・・


「ユウ・・・・」


わかる。


遠く離れてても、その口が私の名前をつぶやいてくれてる、って。


そしてその笑顔に、


あぁ、大丈夫だ、って。


離れても大丈夫だ、って、その時思えたの。


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