びいだま
「皆…、気を遣わなくてもいいのにね?」
そんな私の言葉にユウは髪の毛を触りながらぶつぶつとつぶやいた。
「俺は……感謝してるけど……果歩と二人になりたかったし」
「ユウ?」
顔がみるみる赤くなってくよ?
予想以上の反応に私の頬も熱くなっていくのを感じた。
「……なんか…いきなり恥ずかしいな?」
「うん……」
「元気だった?……って座ろっか」
「う、うん……」
ユウが指差した先は、ビルの中なのに、太陽の光が届く中庭のベンチ。
椅子に腰掛けると、まずユウが「あ〜…!」と光のさす方向を見つめて大きく息をついた。