びいだま

「果歩から」


「ううんっ。今日こそはユウから言って?」



ユウは、はっ、と笑ってから上を見上げてまぶしそうに目を細めた。



「この一週間。姉ちゃんと話し合ってたんだ。俺・・・・F市には通いでいこうかな、って思ってる」



「え?通い?・・・・でもあの部屋はもう解約した、って・・・」



ユウの住んでたマンションは、この春で解約したって、言ってたのに・・・。



「だからさ・・・・」



そこでユウは言葉を途切れさせてから、頭をかいた。



「果歩、一緒に住まない?なんて、びっくり、する?」



「・・・・・は?・・・・え。・・・・う、うん・・・」



えっと・・・その、どうしよう・・・・。


すごく嬉しいんだけど、嬉しいんだけどさ・・・・。



そんな私の様子に、ユウはごまかすようにアハハと笑って見せた。


「ごめん。なんか、俺のはしりすぎ?」


「違うのっ!・・・・・違うの・・・」



「果歩?」


少し眉をひそめたユウに私は勇気を出して伝えた。



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