びいだま
「よかったねっ!この前も少しだけ写真撮らせてもらったって言ってたし・・・順調じゃんっ」
「・・・・・あぁ」
うそ。本当は・・・本当に言いたいことは・・・・・
「ユウ、頑張ってね・・・・私も頑張るよ」
「うん。試験もう少しだったよな?風邪とか気をつけろよ」
「うん。ありがとう。ユウもね」
いやだ。
もう、終わっちゃう。
「・・・・ん。じゃぁな」
ユウ、私、本当はね。本当は・・・・
「おやすみ」
プツッ、と回線が切れると、いきなり夢から現実の世界に戻されるようで。
本当に言いたいことは別にあるのに、
やっぱりどうしても言えない。
「ユウ、会いたいよ・・・」
プープープー・・・・
途切れた電話の向こうに伝えられない言葉を小さくつぶやいた。