びいだま
ユウがいなくなっても、流れる時間はいつもの通りで。
学校も、受験でいない人もいるし、ユウが座っていない席を気にとめる人はいなかった。
・・・・おっと。
つい、ぼーっ、とユウの席を見てしまうのがいつのまにかクセになってる。
いけない、勉強。勉強・・・っと。
ようやく机の上のノートを広げた私の目の前に座ったコマキが突き出した雑誌。
「果歩、これ見た??」
「え?・・・ううん・・・・知らない、けど・・・」
見覚えのない、その表紙には、大きくharuの写真がおどっている。
「あ~・・・小畑さんの写真、チェックするの忘れてた~。ありがとう・・・」
と言いかけた私に、コマキは興奮冷めやらぬ様子で、
「これ、ここっ!」
そう言って、あるページを指差した。
・・・・・あ。
「これって、垣っち、だよねっ!?」