びいだま
「果歩、これから勉強?」
「うん」
「ごめん、私ちょっと用事があるから先に帰るね」
バイバイ、と手をふってコマキが教室を出て行くのを見て、カバンの中に机から出したノートをしまう、その時に。
バサッ・・・。
落ちたのはさっきの雑誌。
ユウの顔が載ってる雑誌・・・。
どんな理由であれ、ユウの顔が見れるんだもん。
私にとっては大事な1冊だ・・・・
拾い上げようとした時に、目の前に白い上靴が現れた。
「ちょっと」
「はい?」
顔を上げると、髪の毛をくるくる巻いた女の子が3人仁王立ちしているのが見えた。
「ちょうどよかった。あんたもその雑誌持ってたんだ」
背の高い真ん中の子が腕組みをしたまま、笑って私を見下ろした。
・・・・わけがわからないけど・・・・感じは、よくない、よね。