びいだま

「果歩、これから勉強?」


「うん」


「ごめん、私ちょっと用事があるから先に帰るね」


バイバイ、と手をふってコマキが教室を出て行くのを見て、カバンの中に机から出したノートをしまう、その時に。



バサッ・・・。



落ちたのはさっきの雑誌。


ユウの顔が載ってる雑誌・・・。



どんな理由であれ、ユウの顔が見れるんだもん。


私にとっては大事な1冊だ・・・・


拾い上げようとした時に、目の前に白い上靴が現れた。



「ちょっと」


「はい?」


顔を上げると、髪の毛をくるくる巻いた女の子が3人仁王立ちしているのが見えた。


「ちょうどよかった。あんたもその雑誌持ってたんだ」


背の高い真ん中の子が腕組みをしたまま、笑って私を見下ろした。


・・・・わけがわからないけど・・・・感じは、よくない、よね。


< 275 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop