びいだま

その時・・・・


ガラッ!


乱暴に開いた扉とともに響いた声に、「ボス」の体がびくんっ、と跳ねた。



「何やってんだよっ」


「キャッ、王子」


「やだ。ミズキくん・・・」



さーっ、と引いた女の子達をどけるように、私の目の前に立ってるのは瑞貴だった。



「何、やってんの?」



静かな教室に冷静な声が響いた。



「あ、あの・・・」


後ろの女の子が戸惑うように口を濁らすのを横目に、ボスは、一瞬口をつぐんでから瑞貴に詰め寄った。


「だって、王子が何度言っても教えてくれないからじゃない」


あの~・・・・突っ込むところじゃないかもしれないけど、声のトーンが全然さっきまでと違うんですが・・・・。


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