びいだま
「だから、教えて?って頼んでただけで・・・」
「言っただろ?あれは俺のツレだって。果歩にもコマキにも関係ないんだって」
「瑞貴くん・・・でも・・・・・」
「何度頼まれても俺も教えないよ。あいつにはちゃんと彼女もいるし、お前らが・・・・」
そう言いながら彼女達をじろりと見渡して瑞貴は冷たく笑った。
「その彼女に勝てるなんて、とうてい思えないしな」
「ひどっ・・・」
「どちらにしても」
瑞貴が貸してくれた手につかまると、ぐいっ、と軽く引きあげられる。
「てか、お前ら最悪。俺の・・・俺の友達にこういうことするやつにはぜってー教えねー」
瑞貴・・・・。
「も、もういいっ!」
バタバタと教室を出て行く彼女達の遠ざかる足音を聞きながら、私は自分の机にもたれかかった。