びいだま
瑞貴
「果歩、大丈夫か?・・・・あいつらには絶対果歩やコマキに聞くなよ、って言ってたんだけどな・・・ごめんな?」
「ううん。瑞貴が謝ることじゃないよ」
「・・・・けど、かっこよかったな。果歩」
「え?」
前の椅子に座って机に両腕をついた瑞貴が、私を見上げるように微笑んだ。
「見た目じゃない、って。本当のあいつを知ろうとしない奴に絶対に教えない、って」
「・・・そんなこと、言ったっけ・・・」
なんだか急に恥ずかしくて、開いたままのカバンに残りのノートを詰め込んだ。
「果歩・・・」
「ん?なに?」
瑞貴は、両腕に頭をのせるようにして窓の外を見ながらつぶやいた。
「ユウとは、順調?」
「・・・・どうだろ」