びいだま
うん。
って言えなかったのは、このごろの私の奥底の迷い。
なぜか・・・瑞貴の前ではそんな気持ちがするするとあらわれた。
「どうだろ、って・・・・なんだ、それ・・・・」
「・・・好きだよ。ユウのこと・・・・けど」
「・・・・・」
「けど、遠距離恋愛、ってこういうのかな、って」
「こういうの?」
「うん・・・。エンレンって片思いににてるな、って最近思うんだ」
「・・・?」
「言えない言葉、ってあるんだよね・・・。どれだけ思ってても絶対に言っちゃいけない言葉・・・」
私がユウの机にむける視線に、瑞貴は黙って合わせた。
「なんか・・・・そんなこと考えてると、あぁ、あの期間って夢だったのかな、って。楽しかった思い出ばっかり浮かんじゃって、本当に今のユウを私は好きだ、って言えるのかな、って・・・変なことばかり、考えちゃう」
「・・・・・」
「ごめんね。瑞貴にはこんな相談ばっかり・・・。あはは。自分でもこんなに情けない奴だなんて思ってなかった」