びいだま
「果歩、ユウのことよろしくな」
「え?」
反射的に顔を上げた私の目の前で、今度は瑞貴がその視線をそらすように目を伏せた。
「俺は・・・・・・ずっと応援してるから。けど・・・もし・・・・」
「・・・?」
瑞貴はいったん言いかけた言葉を飲み込むように、グラウンドに目を向けてから息をついた。
「・・・・もし、お前らがまた頼りないことしてても、すぐには話聞いてやれないからな」
「瑞貴?」
そう言って瑞貴は私に手を差し出した。
「帰る?」
「・・・う、うん・・・・」
「俺ね、出発が早まった」
「・・・・え?」