びいだま
遠恋
・・・・
「ユウ、瑞貴がよろしく、って」
瑞貴が海外に旅立ったその日。
かかってきたユウの電話でそう伝えると、彼はため息をついて、一言。
「そっか・・・・瑞貴なら、大丈夫だよ」
「うん・・・・そうだよね」
「俺が尊敬する友達だからな」
「そうなの?」
「そうだよ」
仲がいいとは思ってたけど、きっと私が想像するよりももっと深い絆でユウ達はつながってるのかもしれないな、って純粋に思えた。
「ほんっと・・・・ユウ達がうらやましいよ。こんなに大切な友達がいるなんて、って妬けちゃうくらいだもん」
ユウは、ハハハ・・・と笑ってからゴホンと咳き込んで続けた。
「だから・・・・だから、心配なんだよ」
「え?」