びいだま

「着いた」


垣内くんが急に足を止めるから、前を向いてない私は鼻を思いっきり背中にぶつけてしまった。


「痛っ・・・って・・・・わぁ・・・・・」


思わず声を上げたのは、一面に広がる花畑の中の・・・・


「絵みたい・・・・」


色とりどりの花畑の中の白い教会。


本当に、こんな絵みたいな風景が本当にあるんだ。


「すごい・・・・」


「ここ、時々家出して3人で来たんだ」


「瑞貴くんと、マアコ?」


「あぁ。なんっも変わってねぇな!」


そう嬉しそうにいって、垣内くんはバッグの中からカメラを取り出して、空や花畑を撮り出した。


「ね~~」


「ん?」


カメラから目を離さずに答える垣内くんに、心の中でこっちをみないで、ってお願いをしながら質問した。


「それで、マアコと垣内くんは・・・・付き合ったの?」


大声できいてるけど、本当は、胸の中は反比例してちっちゃくちっちゃく縮こまって痛いくらいだ。


ききたくないけどききたい。

ききたいけど、ききたくない。



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