びいだま

「勝手だけど、俺今スゲー嬉しい。こっちに来てから初めてかも」


「私は・・・本当はすごい不安だったよ。距離もそうだけど、それ以上にユウと何を話していいのか。わかんなくなっちゃったから。いつも言いたい言葉はあるのに、それは・・・絶対にユウには伝えられない、って思ってた。勝手に、そう思ってたの」



「果歩、俺の気持ちは変わらないから」


「ユウ・・・・」


「ね、今持ってる?ビー玉」


「え?あ、うん」


そう言いながら机の中からまだ開いてもない黄色の袋を取り出すと、それは蛍光灯の光の下でキラキラと光った。


「今、見てるよ」


目を閉じると閉じたまぶたの裏でその瞬きは何度もきらめき続ける。



「果歩・・・好きだよ」


「うん・・・・」



さっきの胸の高鳴りがウソのように静かにおさまって、代わりにそれは閉じたまぶたから静かに頬へと一筋流れた。



好きだよ。


ユウが好き。



離れてても、きっとずっと好き。



好き・・・・・・・。



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