びいだま

思わず出たつぶやきに、自分が一番驚いて・・・衝撃を受けてる・・・・。


あぁ・・・もしかしてマアコの手術のこと、知ってたのかな。ってふと浮かんだ考えに、忘れかけてたはずの胸の奥の小さな黒い点がじわっ、と現れたような気がして、思わず目を閉じた。



私は、いつまでこんなことを繰り返すの?



ユウとマアコはかけがえのない「友達」だから。



「ユウ・・・・ごめんね」



いつもおなじところばかりだね。


こんなこと言うときっと、あきれたように笑うよね。



お願い。


笑って?


「ばかだな」


って笑いながらしかってよ?



・・・・・

ガラッ・・・。



その時、扉が開いた音がして、振り返ると、あんなさんがユウのベッドを見ながら静かに近づいてきた。


「まだ、起きないよね」


「・・・ハイ」



ギシッ、ともうひとつの椅子に座ってあんなさんはユウの顔を見つめたまま口を開いた。







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