びいだま

「・・・・・マアコちゃんの手術、終わったって」


「え?」


「成功、らしいんだけど、今集中治療室に移った、って・・・・」


「・・・・・そうですか・・・良かった~・・・・」



あんなさんは、コマキが心配してたけど、もう遅いから先に帰ってもらったということを教えてくれた。



「ありがとうございます」



「果歩ちゃんは・・・・」


と言いかけたあんなさんの顔に、私は首を横に振って見せた。



「そっか・・・・でも、あんまり遅くはならないようにね。お家の人も心配するだろうから・・・」


「ハイ・・・」



少しでもユウの近くにいたい。


その気持ちが何も言わなくても通じてることに、こんな時だけど少し感動しながら私はあんなさんに頭を下げた。



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