びいだま

何度もその文字を目で追って、


手紙を顔に近づけると、もしかしたらユウの香りに近づけるかな・・・



情けないのか悲しいのかわからないけど・・・



私はその手紙を胸に押し当てて、泣いた。



それはやっと出た今日はじめての涙で。



号泣してる声をママ達に聞かれたくなくて、腕で口を塞いだ。




ユウの事故のことも、ユウが目覚めた時のことも、全部が私の感情をぐるぐるにかき混ぜていく。



ユウ・・・。



ユウ、バカだよ。



私の誕生日さえなかったら、事故にあわなかったのに。



バカだよ。



『お前に会ったら心臓とまるかもな』って言ってたよね。



あんなの、ギャグにもなんないから。




・・・・助かって・・・・生きててくれてよかった。


本当に・・・良かった・・・・。



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