びいだま
「あ、笑った・・・・・」
「へ?」
つられて緩んだ口元を見透かすようにユウは小首をかしげてにこっ、と笑った。
「だって、ずーっと泣きそうな顔してたでしょ?あんた」
「・・・・・・」
「姉ちゃん、ああやってキツイことも言う時もあるけど、見込みのない奴にはそんなこと言わないからな?きっと期待されてんだよ」
ユウ。
ユウ、違うけど。
違うけど・・・・一生懸命私を励まそうとしてくれてるの?
「ヘヘ・・・・」
鼻の奥がツーンと痛くなる。
それを我慢するように、私は無理やりに笑って見せた。
『急にムリはさせられない』
そうわかってるのに、
こんな瞬間があるとつい全部をぶちまけたくなるんだ。
その衝動をなんとか抑えながら、私はバッグの中から封筒を取り出した。