びいだま
なに?
というような不思議そうな顔をしたユウの目の前で私は封筒から一枚の紙を出した。
「今日はこれを見せに来たんだよ」
「・・・・?」
うん。そうだよね。
今のユウにはわけがわかんないだろう、ってのはわかってる。
わかってるけど、どうしても一番最初に見せたかったの。
F大学の合格証。
「大学に受かったの。春からは晴れて女子大生になるんだ、私」
ユウは・・・・
ただ黙ってその紙を見つめて、
「ふぅ~ん・・・」とだけ言うのかと思ってた。
けど、実際に彼の口から出た言葉は違ってた。
「よかったな・・・・よかったじゃん!おめでとう!」
「あ・・・・」
ありがとう、と言葉に出せなかったのは、その言葉が嬉しそうに笑ってくれたその笑顔がやっぱり私の知ってる大好きなユウそのもので、
合格を知ったときよりも、嬉しくて涙が出たからなんだ。
ユウにとっては私はあんなさんの知り合い、ってことしかなくて、
けど、そういう人がいきなり見せた合格通知にこんなに喜んでくれることが、やっぱり彼の優しさだと思ったんだ。