びいだま
「夏休み、って・・・・・もうすぐじゃん?・・・大丈夫?果歩・・・」
「・・・わかんない。けど・・・大丈夫、って言うしかないし・・・」
何もかも・・・・時間がすぎるのを待つしか、ないし。
それに・・・・
「マアコのこと、話すユウも・・・・・好きなんだよね・・・」
そう。
ユウは、マアコのことを話すときに、嬉しそうに、けど、少し切なそうになる。
私が聞くと、眉毛を困ったように少し下げるんだよね。
だから、私からは聞かない、ようにしてる。
夏休みに会いに行く、っていうのも瑞貴から聞いたことだし。
「王子・・・・なんかますます最近かっこよくなってない?」
「ん?」
「ほら、見て・・・・ギャラリーさんも多くなってるような気がするし」
コマキの視線の向こうに、タイムアウトに入った瑞貴たちに、それぞれタオルを差し出す女の子達の手が見えた。
その中から「瑞貴くん!」ひときわ大きな声がして、差し出された腕の間から一人の女の子が瑞貴に何か話しかけてた。
「彼女、ってあの子かな?」
「・・・・あぁ・・・わかんないけど・・・・そうなのかな」