びいだま
白の世界
入学式を明日に控えた日。
私はいつものように病院へと向かった。
「こんにちは・・・」
あれ?
ユウ?
そこにいるはずのユウの姿がない。
確か・・・・退院は明日のはずだけど・・・・。
病室の中でキョロキョロと見回してると、
「あぁ、果歩ちゃん!」
「あんなさん」
なぜか息をきらしたあんなさんが部屋に駆け込んできた。
「やっぱり。まだいない・・・・ほんとうに、あいつ・・・どこにいったんだろう・・・」
「あいつって・・・・ユウが、どこかに行ったんですか?」
「そう・・・・。本当に・・・・退院が決まってから時々こんなことがあるんだよね・・・ふらっ、とどこかに行ってまた少ししたら帰ってくるんだけど・・・」
ユウ・・・・。
「でも、困ったなぁ・・・・もう少しで退院診察もあるっていうのに・・・」
「あんなさん、私も探してみます」
「うん、お願い。ごめんね」
「いえ」
そう言って、病室を出てみたものの・・・・
当てがあるわけじゃないし・・・。