びいだま

「悠司くん・・・・?」



さっきより大きな声で呼ぶと、返事の変わりに風がまた大きくシーツをはためかせた。



・・・・やっぱりいないのかな。


勘は外れた?



こんな天気のいい日は・・・・もしかしたらここ、って思ったのにな・・・。



シーツの中、階段に戻ろうとした時に、その先のほうから、



「垣内くーん!診察始まりますよ~~??」



看護師さんの声が大きく響いた。



「あ、ここにはいない・・・・」



みたいです・・・・っ!



と大きく口を開けかけたその時、ぐっ、と大きな力が私の体の動きをとめた。



・・・・・っ?



そして、ふさがれる口に私は首を動かして上を見上げた。




「・・・・・!?」




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