びいだま

「ユウ・・・・っ・・・じくん・・・・」



目の先には、人差し指を口にあてて、しーっ、と言うような仕草をしてるユウがいた。



「・・・・・・っ!」



「ごめん。ちょっとだけ・・・だまってて」




シーツの向こう側に足が見える。



「垣内くん?・・・・おかしいな、なんか声が聞こえたんだけど・・・・」



急にドキドキし始める胸の鼓動は緊張感だけじゃない。


緊張感なんかじゃない・・・・。



ユウの長い指も、


大きな腕も、


広い胸も・・・・・



ヤバイっ・・・・・全然体が忘れてなくて、体の細胞全部がユウに触れられてることにびっくりして、喜んでる。



思わずぎゅっ、と閉じた私の瞳に、多分ユウは私が戸惑ってるって思ったんだろう。



遠くなる声と扉の閉まる音に、大きく息をついてから、



「ごめんね」


と言って体を解放してくれた。



・・・・泣いちゃいけない。




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