びいだま
「果歩、お前なんか勘違いしてるよ。マアコが誰を好きでも、ユウが好きなのはきっと変わらないよ。絶対に変わらないよ」
そうやって、ゆっくり顔を上げた瑞貴のまなざしに、思わず視線をそむけた。
「一番大切なのは、絶対に変わらないよ・・・」
「瑞貴・・・・やめて?」
「なんで?」
本当はそう信じたいよ。
そして、やっぱりそう信じてる私もいるから。
けれど、だからこそ、余計にユウが記憶をなくしてることが辛いんだよ。
その現実が見れないんだよ。
「・・・・辛いよ。・・・・本当は、辛くてどうにかなりそうだよ。でも、どうしようもないでしょ?」
「果歩・・・・」
「どうしていいのか・・・・わからないよ・・・・」
その時・・・・
ふわっ、と包まれた感触に、忘れかけてた甘い暖かさを瞬時に私の体は思い出すんだ。