びいだま
ガッ!という鈍い音と共に、腕に強い力を感じて、足がよろけた。
何?
目の前が、ざっ、と一瞬で暗くなったかと思った瞬間、二の腕がじんじんと鈍く痛んだ。
「・・・・いって~・・・」
その声に、首を動かすと、
瑞貴が、壁にもたれるようにして倒れこんでいるのが見えた。
「み・・・っ」
瑞貴の名前を呼ぼうとして、気がつく。
私の二の腕をつかんでるのが、ユウだってこと。
「・・・・ゆ・・・?」
ゆっくりと見上げると、ユウの表情は冷たく固まってて、その視線はまっすぐに瑞貴に向けられてた。