びいだま

入学式自体はすぐにすんだ。


近くに座った同じクラスの女の子と社交辞令的な挨拶を交わしてキャンパスを通りぬける。



にぎやかなサークル勧誘の人たち。



その中で、ふと足が止まった。



目の前には、木々に飾るように置かれてる、写真の数々・・・・。



写真部、と書かれた看板の隣に、いるはずもない彼の姿を思い出した。



・・・・今日、もう退院したのかな・・・。


病院の外で、写真を撮ってるのかな・・・。



ふふっ・・・・


どこにいても、ユウはきっとカメラを持ってるよね。


そして、私はずっとその姿を思い描くんだ。


たとえ、離れてても・・・・。




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