びいだま
「・・・・それに・・・・瑞貴帰ってきてから昨日バタバタしたから、ゆっくりとはマアコのところに行けてないんでしょ?きっと、マアコ待ってるよ」
「・・・そだな・・・ありがと、果歩」
「ううん。だって、その格好・・・・きっと後からなんで早く見せに来ないの?とか絶対言われるよ」
「ハハハ、そうかもな」
そんなことを言いながら、ここまで手をひかれるように来たのと逆になって、私が瑞貴を引っ張るようにマアコの部屋へと急ぐ。
カラ元気、って言われてもいい。
ユウがいなかったことを少しでも忘れたかった。
次の再会への約束を、できなかったことを少しでも忘れたかったんだ。
「瑞貴、せっかくだから先に入ってよ。マアコびっくりするよ}
「あぁ・・・なんか、緊張すんな。やっぱこの格好苦手だわ」
なんて言いながら瑞貴がドアに手をかけた瞬間に、ガラッ、と先にドアが開く。
・・・・・っ!?
飛び出すように出てきた人物を見て、私は息をのんだ。